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生理前の敏感肌(ニキビ・肌荒れetc)は抗菌ぺプチドの減少が原因!?

生理前ニキビと皮膚常在菌について生理前になると肌がゆらいで敏感・不安定になるというのは毎月おなじみの光景です。


これは女性ホルモンのプロゲステロンの影響が増すことで、エストロゲンの作用が弱り、肌のバリア機能が低下することが主な原因ですが、その際に皮膚常在菌のバランスが崩れてしまうことも肌がデリケートになってしまう原因だということがわかってきました。


最近はテレビをみても雑誌をみても「菌活」や「育菌」というキーワードをよく目にすると思いますが、人間の身体に菌が棲みつき重要な働きをしているのは何も腸内の中に限った話ではありません。


個人差はありますが、皮膚表面には1兆個、顔に限定すれば約10億個、皮膚表面の角質の中や毛穴のなかに、1平方センチメートル当たり1~10万個の皮膚常在菌がいるといわれています。


こうした皮膚常在菌が私たちの肌の状態にどう関わっているのか?ということや皮膚疾患とどんなつながりがあるのか?といった研究も進んでいて、敏感肌の人にとっては身近な肌トラブルである生理前のニキビや肌荒れ、アトピー性皮膚炎との関連性がわかってきているんですね。

主な皮膚の常在菌と肌への影響について

肌に菌が住んでいることは1970年代には知られていたことですが、皮膚常在菌にも善玉菌と悪玉菌がおり、菌の量やバランスが肌の状態を左右しているということが分かったのは比較的最近のことです。


表皮ブドウ球菌(善玉菌、美肌菌)

空気を好む好気性菌ということもあり、角質層や表皮の上層に住む。グリセリンを含む天然のクリームをつくり保湿に貢献するほか肌を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を防いでいる。悪玉菌を退治する「抗菌ペプチド」を分泌している。

アクネ菌

酸素を嫌う嫌気性菌であり、毛穴のなかの皮脂腺周辺に生息している。毛穴が詰まると大増殖する。ニキビの原因菌として有名ですが、普段は肌を弱酸性保つ働きをするなら良い働きをしている。ニキビの原因になる炎症タンパクを出すアクネ菌(タイプⅠ)と出さないアクネ菌(タイプⅡ、Ⅲ)がいる。

黄色ブドウ球菌

食中毒の原因菌として有名。空気中から肌に付着して棲みつく。肌表面がアルカリ性に傾き、増殖するとかゆみや炎症を引き起こす。健常者の9割には存在しない肌の悪玉菌だが、アトピー性皮膚炎患者の8割以上が黄色ブドウ球菌の保持している。

マラセチア菌

真菌・酵母の一種。ニキビとよく似たマラセチア毛包炎や脂漏性皮膚炎による頭皮のフケやかゆみの原因に。ペットを通じて菌をもらうことも。


表皮ブドウ球菌などの善玉菌が多く、悪玉菌が少ない状態であれば肌は適度な水分量が維持されてバリア機能や透明感もアップします。肌の免疫力も高まるためニキビや肌荒れといったトラブルが起こりにくい状態になります。


逆に黄色ブドウ球菌のような悪玉菌が多くなると、肌の防御機能・免疫力が弱るため、肌が乾燥してキメが乱れ、かゆみや炎症が頻発するようになります。炎症が頻発すればそれがダメージとなってシミやシワをつくり、肌老化を進めてしまう原因になってしまいます。


生理前になると肌が乾燥し、敏感になるだけでなく、ニキビや湿疹ができるという人も多いと思いますが、これにも皮膚常在菌が関係していて、生理前になると増える女性ホルモンのプロゲステロンの影響で肌の表皮ブドウ球菌が分泌する「抗菌ペクチド」が減ってしまうことがわかっているんですね。


※ アクネ菌に対して抗菌活性を示す抗菌ペクチドの働きが生理前になると増える女性ホルモンのプロゲステロンの影響で低下していまうことが判明。

※参照:月経前のニキビ悪化の原因を解明|ポーラ

生理前に敏感肌になる、ニキビができるメカニズム

女性の肌の状態には、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という2つの女性ホルモンが大きな影響を及ぼしているのはご存じだと思います。


エストロゲンの肌への影響

要チェック 肌の水分量を増やしてバリア機能を強化する。
要チェック 皮脂の分泌を抑制する。
要チェック コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進させる。


プロゲステロンの肌への影響

要チェック 皮脂の分泌を増やすといわれている(最近ちょっとこの説は怪しい)。
要チェック 紫外線への感受性が高まる。
要チェック 表皮ブドウ球菌が作り出す抗菌ペプチドを減少させバリア機能を低下させる。


生理周期によって2つのホルモンバランスは変動するわけですが、生理前は黄体期といわれているように黄体ホルモンの影響力が増して卵胞ホルモンの影響が弱まるため、角層のバリア機能が低下します。


バリア機能が低下した肌は、水分保持力が低下するため、乾燥肌になりますし、雑菌や物理的刺激に過敏に反応しやすくなるので敏感肌の症状がでてきます。


悪玉菌が増殖中!これが生理前に敏感肌になる一般的なメカニズムになりますが、ニキビができやすいタイプの敏感肌だという場合は、前述したように黄体ホルモンが抗菌ぺプチドを減少させることでアクネ菌が増えるといった皮膚常在菌の菌バランスの影響を強く受けているのかもしれません。


また、アトピー性皮膚炎の8割以上の方に健康な肌にはまず存在しない黄色ブドウ球菌が棲みついていることにも注目です。


最近は大人になってからアトピー性皮膚炎を発症する人が増えているといわれていますよね?


これも皮膚常在菌という視点でみると、長年、皮膚常在菌を無視したスキンケア(※後述)を続けてきた結果、肌の善玉菌(表皮ブドウ球菌)が減ってしまって、黄色ブドウ球菌が棲みつきやすい&繁殖しやすい肌環境を作ってしまったからと考えることもできるわけです。


敏感肌を改善するためには、セラミドを増やす&守ることでバリア機能を強化するスキンケアをするのが基本ですが、同時に表皮ブドウ球菌を増やし、皮膚常在菌のバランスを整えることも考えたほうがいいかもしれません。

洗顔料&クレンジングが肌の悪玉菌を増やしてしまう原因?

「皮膚常在菌の菌バランスが美肌を作る」という視点をもつと、普段のスキンケアの内容も変わってくると思います。残念なことをお伝えすると、私たちが普段肌のためによかれとやっているスキンケアには肌の善玉菌を減らして菌バランスを乱す原因になっているものが多いとか。


例えば、洗顔。


表皮ブドウ球菌は、角層や表皮の上層に棲みついていることもあって、クレンジングや洗顔で簡単に失われてしまいます。水やぬるま湯での洗顔はまだしも洗浄力の強い界面活性剤入りの洗顔料を使って洗顔すると、菌や皮脂を落としすぎてしまうんですね。


※ 失われた菌が元に戻るのに10~12時間かかります。朝晩2回洗顔料を使って洗顔すると元に戻る時間がありません。


表皮ブドウ球菌など善玉菌が肌にいない状態は、黄色ブドウ球菌など悪玉菌が付着して増殖する格好のチャンスになってしまうため、「洗いすぎ」は肌の悪玉菌が増やしてしまい、肌の状態を悪化させてしまったり、肌質が改善されないといった状況をつくってしまうわけです。


表皮ブドウ球菌を減らしてしまう行動・スキンケア

要チェック 熱いお風呂、15分以上の入浴やサウナ
要チェック ピーリングや垢すり、シェービング等
要チェック 洗顔料を使った洗顔、1日2回以上の洗顔
要チェック 防腐剤入りの化粧品の使用、抗菌グッズの使用

※菌そのものを殺してしまう防腐剤や抗菌剤の使用、菌の住処でもある角質をふやけさせたり、剥がしてしまう肌のお手入れはNGです。


洗いすぎ&こすりすぎは、角質層のセラミドを洗い流してしまってバリア機能を低下させる原因でもあるわけですが、皮膚常在菌にとっても同じことがいえるということなんですね。

肌の善玉菌(表皮ブドウ球菌)を増やす4つの方法

では、肌の善玉菌をどうやって増やせばいいか?菌バランスを整えるにはどうしたらいいか?ということですが、以下の4つの方法・対策があります。


1、菌バランスを崩すスキンケアを止める

毎日の洗顔とクレンジング、そして防腐剤など殺菌・抗菌作用のあるスキンケア化粧品を断つことが実は一番効果的です。ぬるま湯洗顔以外何もしない「肌断食」、防腐剤フリーの化粧品を使う等の方法があります。


2、グリセリンなど善玉菌が生み出す成分を肌に塗布する

表皮ブドウ球菌は皮脂を脂肪酸とグリセリン類似物質に分解します。コスメに配合されている保湿成分のグリセリンはこれを人工的に作ったもの。肌の潤いを保ち整える効果があります。


3、自分の美肌菌を外部培養して戻す

これは自分ではできないので、美肌菌バンクを利用します。初回にかかる登録料金が20万円。さらに菌を保存してもらう場合は月額5,000~58,000円がかかります。


4、表皮ブドウ球菌のエサを肌に塗布する

オリゴ糖(バイオエコリア)などが表皮ブドウ球菌のエサになるものとして有名。オリゴ糖(バイオエコリア)配合のコスメなども最近増えてきているようですが、汗や皮脂を出すというのでも十分。運動しましょう。


一番簡単なのはやはり洗顔&クレンジングのやり方を変えることでしょうね。


メイクをするとどうしてもクレンジング&洗顔料が必要になるので、洗顔料を使う洗顔は1日1回(ノーメイクの日は0回)、クレンジング剤はミルクorクリームタイプを使うようにします。


保湿は防腐剤やアルコール、尿素を含んでいるものはNGということもあり、化粧品選びがかなり難しいです。ワセリンで水分蒸発を防ぐということに徹するというのがお金もかからないし、肌に負担もかからないと思います。


汗はアトピーの人にとってちょっと注意が必要ですが、肌の善玉菌の好物ですし、汗の中には抗菌ペプチドが含まれていることもあって、悪玉菌を退治して菌バランスを整えてくれるのに役立つもの。毎日軽く汗をかくのはおすすめです。


ただ、そんな汗も放置してしまうと肌を中性~アルカリ性に傾かせてしまうので要注意。汗をかいた後は素早く拭き取る&シャワーで洗い落とすようにしましょう。


年齢が若いほど善玉菌が多い、加齢ととも悪玉菌が増えるといったよくある年齢の壁の問題は皮膚常在菌にはありません。あくまで毎日のスキンケアと生活習慣が菌バランスに影響します。


今まで何をしても改善できなかったニキビ、肌荒れ、湿疹、乾燥、キメの乱れ、赤み、炎症といった肌トラブルが皮膚常在菌の菌バランスを整えるケアを心がけたことで改善・緩和できたという報告も上がってきているようです。


生理前の敏感肌やニキビに皮膚常在菌が関わっている以上は皮膚常在菌のバランス、肌の善玉菌を増やすということも念頭においてスキンケアで対策をしたほうがよさそうですね。

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